昨晩、実家の家族から、祖父が入院してそろそろ危ないかもしれないと連絡が来ました。
祖父は私が実家に帰省すると驚いた顔をして「あれ?おえ、翔太か?」と嬉しそうな顔をします。
その祖父の顔を家でもう見られないかもしれないと思うと寂しいし悲しいです。
私は巻き爪・深爪などを治せる技術を持っていますが、爪の変形を治せるようになったのは、もともとは祖父の爪を治したいと思ったことからでした。
祖父は私が高校生くらいの時に脳卒中で倒れて入院しました。
リハビリ病院で必死にリハビリをしたおかげで、麻痺は多少残りましたが、歩けるし車も運転できて、周りから見ればほとんどわからないくらいの回復をしました。
私が大学生になったあたりからだんだん、爪が変形して分厚くなるようになりました。
専門用語で肥厚爪(ひこうそう)・爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)といいます。
日常生活では「爪切りができない」「履き物の上側に圧迫されて痛い」「靴下に引っ掛かる」という症状がありました。
特に爪切りが大変で、麻痺のある祖父の手や家族が切るのは難しくなってきました。
私も専門家ではなかったのですが、最初は試行錯誤しながらやすりで削りながら、ニッパー式の爪切りで切っていました。
そのうちに、ネイリストさんが使うような電動の爪やすりの存在を知りました。
ちょっと高かったけれど購入して、祖父の爪のケアに使うようになりました。
ケアをすると爪が靴下に引っかかることがなくなり、祖父は決まって「おい、足が軽くなった。飛んでいっちゃいそうだ。へへへ。」と嬉しそうな顔で言います。
何度もケアをして、理学療法士として知識や経験を積むうちに、だんだん爪の変形は姿勢や歩き方が原因で引き起こされることが多いと気づき、興味を持って勉強するようになりました。
原因である姿勢や歩き方は理学療法士の専門分野なので治すことが出来ます。
しかし、一定のレベルまで変形した爪はどんなに姿勢や歩き方を修正しても良くなるどころか、むしろ悪化してしまいます。
なので、ペディグラスという技術を学んで、爪の変形までしっかりと治せて、痛みを根本から解決できるようになりました。
もしかしたら、もう祖父のために爪を治す技術を使うことはできないかもしれませんが、爪の悩みで苦しむ多くの方を救えるよう頑張ります。
できるなら、祖父が退院したら、また爪のケアをしてあげたいです。